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恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学学生・恵迪寮中途退寮者の井上大輔が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

恵迪寮の新入寮生をその人に適した部屋に入れるのが大切だ。

恵迪寮の伝統派はいかなる動機で伝統を護持し、新入寮生を伝統の下に組み入れようとするのか。

「弱い者いじめが好き」「自分が優位に立てる人間関係とそれを保障する制度が好き」という動機の者も確実にいる。「長く続いている伝統だから尊重せねばならない」という素朴な敬意・畏れから動く人もある。そして、「自分が恵迪寮の伝統に救われたから、人にもこの機会を提供したい」という親切心から動いている人も、少なくない。

恵迪寮の伝統に救われる、とは、どういうことか。恵迪寮の文化は、押しつけがましいものである。新入寮生は行事やイベントにしつこく誘われたり、強要されたりする。これを、放っておかれるよりうれしいと感じる人がいる。食い極にしても、超大盛りの何かを食べ切って伝統派の上級生から褒められるのが、人生で初めて人に褒められる経験だという人もいるし、苦しんで吐いても人の注目を集められれば満足だという人がいる。先日の記事 【恵迪寮の文化とされているもの】 に、「改め:あだ名のこと。たいてい、上級生が新入寮生に命名する。外見や行動の特徴を揶揄するようなものも少なくない」と「改め」のことを書いた。これも、無視されるより椰揄された方がまだうれしいと感じる人がいる。松本人志

「お前な、イジメられてるって事はチャンスなんやぞ? なんで笑いにもっていかへんねん」

に近い感覚と言えるだろうか。大学生活で自分のやるべきことを自分で見つけられなかったり、自分から人に話しかけるのが苦手な人に、恵迪寮の文化が活躍の場とそして自信を与えてきたのは事実である。この恩恵を受けた人が後輩にも同じ体験を提供しようとするのも、自然な感情である。このことは認識しておかないと、恵迪寮の現在を正しく捉えそして改善することは難しい。

問題は、上述のような「恩恵」を望んでいない人にまで食い極や行事参加の強要が及び、その人たちが苦しんだり退寮してしまったりすることである。これを防ぐためには、新入寮生が、自分の型に適した部屋に入れるようにし、寮の文化とも自分の望むつき合い方をできるようにすべきである。

ところが、これはいま実現できているとは言えない。恵迪寮自治会は入寮予定者に各部屋の案内冊子を送っている。

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写真はその2012年版の1ページだ。これを見てこの部屋で食い極や行事参加の強要があるのかないのか予測するのは難しいだろう。新入寮生が寮に着いた後も、部屋決め前に部屋見学や部屋の案内・説明を十分にできているとは言い難い。この、新入寮生の性質と部屋のマッチングさえ改善すれば、いまある文化を大きく変えなくても、もっと多くの人が恵迪寮で理想の生活を実現でき、恵迪寮は福利厚生施設としての役割も全うできるはずだと思う。

(井上大輔北海道大学3年・恵迪寮中途退寮者。シェア・転載歓迎。)