「自主的な退寮」の罠
恵迪寮生のGNK氏が
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を書いている。私が
恵迪寮は、楽しんでいる人も多いが、苦しんでいる人も多い場所である。ここでは「バンカラ」に名を借りた窃盗・暴力・器物損壊が横行している。「伝統」が強調されるあまり、古参寮生には新入りとともに生きる意識の薄い者もおり、服従させるか追い出すかの二通りしか考えられない者もいる。「文化の継承」「意志伝達」の美名のもと、新入寮生には行事参加の強要、食の強要 (「食い極」と称して吐くまで食わせる) が盛んに行われる。 毎春、経済的に困っている北大生が150人入寮するが、夏までに1割が退寮するのが通例であり、この退寮者の半数ほどが退寮理由に上記の「文化」を挙げる。「全ての運営を学生自身が行」っている結果、こういう弱者が大学当局から必要な援護を得られない状況にある。
と書いたのに対し、同氏は、
賛成度:0%
「こういう弱者」=「文化を理由とする退寮者」、「必要な援護」=「寮に住むこと」ですね。自治会やその運営方法が悪いように読めますが、このような者が出る原因は、「全ての運営を学生自身が行」っていることとは無関係でしょう。一部もしくは全ての運営を外部に任せたとして、言ってしまえば「個人間のトラブル」に介入する責任も無いし、実際にはそんな面倒くさいこと誰もやりたがらないでしょう。殴られたり、嫌がらせをされたりしたら別ですが。
そもそも、その文化とやらに従わなければならない道理が無い中で、退寮せずにより良い方法を模索することができる中で「自ら退寮を選ぶ」=「自ら当局からの援助を断る」ということについて、悪者は存在しないでしょう。(寮生向けの補足ですが、今は充填率の話はしません)
と述べる。
現在、恵迪寮自治会は、文化の保存を公式に自治の目的として定めている。だから、文化による退寮者が存在するならばそれは自治会と自治が原因だという結論になる。
氏は、不満があっても「退寮せずにより良い方法を模索す」べきだと考えているようだ。しかし、行事や食い極に参加したくないと言っても「いや、行こう」の連発で封じ込まれ、しまいには数人がかりで腕をつかんで引っ張られてゆく (何をもって「強要」と呼ぶか - 恵迪寮中途退寮者の意見)、部屋の移動も許されない (恵迪寮ではなぜ部屋の移動が制限されているのか - 恵迪寮中途退寮者の意見) 環境で、何を模索しろと言うのだろうか。
氏の考えでは、
・学校でいじめを苦にして不登校に陥る
・会社でパワハラを苦にして退職を余儀なくされる
・大学でアカハラを苦にして退学を余儀なくされる
・地域で例えば「村八分」のような理不尽な仕打ちを受け、転居を余儀なくされる
といった状況でも、自主的な選択であって悪者は存在しないということになるのだろう。恐ろしい思想だ。
2018年12月12日追記
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