壁の壊された居室から移動できなくなる例と打開策
恵迪寮には個室と相部屋 (恵迪寮の用語では「複数人数部屋」) がある。多くの相部屋では、入口に近い2つの居室の間の壁を壊して居室二つ分の広さの「居部屋」(リビング) を作っている。
恵迪寮では6月と12月に部屋替えをする。建前ではこのとき全ての部屋が解散して新たに結成される。しかし、現実には、個室として使われるブロック、相部屋として使われるブロックは固定されており、変動しない。例えばA棟1階外側ブロックはずっと相部屋であり、E棟5階内側ブロックはずっと個室である。よって、居部屋の壁は壊したままにしておいても文句が出ることがない。
ところが、恵迪寮の現在の建物ができてからの31年間のスパンで見ると、かつて相部屋だったがいまは個室であるブロックが、寮内にいくつかある。こういうブロックでは、居室間の壁のないところに段ボールや新聞を貼り付けて壁の代用としている。隣の居室の音・光・匂いが入ってきて、劣悪な環境となる。こういうブロックでこういう劣悪な居室に上級生が住みたがらない場合は、新入寮生がこういう劣悪な居室に入ることになる。これを理由とする早期退寮の例も存在する。
もし他のブロックの壁のある個室に住んでいる人が、上記のような壁のない居室でも耐えられる場合、居室を交換すれば二人とも円満に暮らせるだろう。しかし、恵迪寮自治会はこの居室交換を認めない可能性が大きい。なぜなら、恵迪寮自治会は、部屋内の話し合いによって解決し得る問題を理由に部屋を移動することを認めていないからだ。新入寮生が壁のない居室に耐えられないならば部屋内の他の寮生と話し合って部屋内で居室を交換すべきだというのが恵迪寮自治会の立場だ。しかも、
新入寮生「(上級生の居室をノックして) 居室を交換していただきたいのですが……」
上級生「(ドアをわずかに開けて) 嫌だよ。(ドアを乱暴に閉める)」
といった「話し合い」であっても、新入寮生の側がもっと話し合いを作る努力をすべきだ、よって部屋移動は認めない、と恵迪寮自治会が判断する可能性が高い。
さて、もしこれを読んでいる人が恵迪寮に入寮して、上述の立場に陥ったら、どうすべきか。一つの策は、「いまの居室ではアレルギーが出て耐えられない」というストーリーを作ることだ。アレルギーは、恵迪寮自治会が「話し合いでは解決できない」と認定している稀有な例だ。これを利用しない手はない。診断書は求められないだろうし、もし求められてもプライバシーを理由に断るのが妥当だ。
2018年12月12日追記
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