恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学卒業者・恵迪寮中途退寮者の井上修一が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

大学教育に感動しない恵迪寮伝統派

恵迪寮自治会執行委員長の選挙の際、候補者は自分の思いを書いたポエムを作って自治会員に配布する。それはだいたいこのような内容である:

北大に入学して恵迪寮に入寮し、まず、飯がとても大盛りであること、それを上の年目 ( 上級生のこと ) が易々と平らげることに驚いた。このような文化は素晴らしいと思った。その思いでこれまで自治会活動に参加してきた。そしてついに執行委員長をやりたいと思うようになって立候補した。

飯が大盛りで驚いたとは、なかなか衝撃的な主張である。なぜならば、大学に入って習う科目は、数学にしろ物理学にしろ化学にしろ心理学にしろ経済学にしろ語学にしろ、それぞれ新鮮な驚きに満ちているからである。北大は勉強熱心な学生が多く、教養科目の教員も熱心に教える人が多いので、1年生のクラスではそのほとんどが好きになれる科目を見出し感銘を受ける。正課の勉強を離れても、北海道は自然が豊かで北大は課外活動も盛んなので、北大の1年生は新たに登山やサイクリングをし始めたり、スポーツや音楽や美術を始め、それらにも感動を発見する人が多い。

これらから取り残され、脇で「飯が大盛りで驚いた」などと言っている学生が恵迪寮伝統派となり、その最も甚だしい者が執行委員長になるのである。恵迪寮の自治は、学力も意欲も北大の最下位層の学生がやる自治である。なので自治の内容も反知性的で鈍重なものになる。