恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学卒業者・恵迪寮中途退寮者の井上修一が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

入寮予定者の質問に答えて

恵迪寮ではなぜ部屋の移動が制限されているのか - 恵迪寮中途退寮者の意見 に対し、入寮予定者の安川さんから

私は4月から新入生の入寮予定者です。若輩者ですが失礼します。井上さんの文章は、大変読みやすく、全て読ませていただきましたが、大変ためになりました。 私はあくまで「経済的困窮者が、金銭面を気にせず、勉学に励むために入寮するにすぎない」の立場でいるのですが、その為には個室に入りたいです。個室に入るのには困難が待ち受けているのでしょうか。教えてください。

と質問をいただきました。

「個室に入るのには困難が待ち受けているのか」と、「個室に入れば経済的困窮者が、金銭面を気にせず、勉学に励むことができるか」に分けて説明します。

(1) 個室に入るのには困難が待ち受けているのか

新入寮生の受け入れと部屋決めの方法が去年と同じと仮定して話します。変わっている可能性があるので、詳細は恵迪寮自治会に問い合わせてください。

4月1~3日の3日間で新入寮生が入寮します。この3日間は1日あたり5回ほどの部屋決めをします。相部屋の代表はどの部屋も毎回来ますが、個室はこの部屋決めに現れないことがあります。恵迪寮には男子個室が約25部屋、女子個室が5部屋あるはずですが、一回の部屋決めに現れるのは概ね男子10部屋、女子2部屋ほどです。個室の代表が現れたとしても新入寮生を自分の部屋に入れることに熱心でない場合が散見されます。

(2) 個室に入れば経済的困窮者が、金銭面を気にせず、勉学に励むことができるか

本来、個室と相部屋の違いは、居室をどのように使うか、机やベッドをどこにどのように置くかだけであって、勉学ができるかどうかは個室か相部屋かによらないはずです。しかし、現実には個室と相部屋では時間の使い方と住人の気質に違いが生じています。

(2-1) 時間の使い方

寮生活で時間を取られるものとして、行事、自治会の会議、会議以外の業務の3種があります。

行事参加の姿勢は、部屋によります。概ね、個室住人は行事に参加せず、相部屋住人は行事に熱心に参加します。しかし例外もあります。未確認ですが、「部屋まわり」という新歓行事だけは出なければならないと決めている個室もあると聞いたことがあります。相部屋でも、行事参加を各自の意思に委ねているところもあります。部屋決めの前に部屋を見学したり寮生と話したりし、自分の希望をはっきり示した上で部屋の姿勢を聞くのが良いと思います。

自治会の会議は、「代議員会」と「部屋入り」があります。代議員会は、相部屋では時間の都合のつく人のなかからくじで代議員を選んで送り出すところが多いです。個室は、代議員会に代議員を送り出さない部屋や、1年目が代議員を務めるというルールを作っているところがあります。代議員会は概ね月2回で、1回平均3時間くらいかかります。

部屋入りも概ね月2回あります。相部屋では必ず出席するか意見・質問を書き残すというルールになっています。相部屋では1回平均3時間くらいかかります。個室では、1年目だけ出席するルールのところや、開催しないところもあります。開催しても5分で終わるところが多いです。相部屋でも、無駄に長く話しているわけではなくて、議案を熟読した上で不明点を全て質問し、よりよいプランに近づけるために議論する結果この時間になっています。「経済的困窮者が、金銭面を気にせず、勉学に励む」ことができる状態を作り維持するために自治会が北海道大学当局に対し入寮銓衡に関する意見を主張し、その結果、より多くの経済的困窮者が入寮できるようになったというのは事実です。

会議以外の業務のうち、全寮生が平等に負担すべきものとして、事務室での来客対応と掃除があります。おかしなことに、個室住人はほとんど参加せず、相部屋住人が主に担っています。事務室での来客対応は、暇なときに2時間くらいやります。来客のないときは読書や勉強をしていても許されます。掃除は、月に1回、1時間くらいです。

(2-2) 住人の気質

概ね、相部屋住人は活発で、個室住人はおとなしいです。しかし例外もあります。些細なことで烈火のごとく怒ったり、下級生に脅迫じみた言動をする寮生は、個室にもいます。恵迪寮の「部屋」は10人くらいの集団なので、我の強い人、声の大きい人がいると「暴君」として君臨してしまうことが多いです。ただ、君臨してしまったときは、個室の方が悲惨な状況を招くことが多いです。相部屋で起こることは噂になって相部屋住人の全員が知ることになるのですが、他方個室は密室性が高いからです。個室の暴君が、世間の常識から逸脱した、さらに恵迪寮の風潮からも逸脱した「俺様ルール」を部屋内で施行していても、その情報が外に出ず、暴君自身も自分が変だということに気付かないケースがあります。寮生の鈴木麟太郎氏も

私の感想ではなく事実として、「俺の提案に合わないなら引っ越せ」「代々個室だから自治(企画、会議、掃除、防災等全て)に参加しない。部屋の先輩にそう言われた」という、話し合いに応じてもらえず、生活に支障が出るレベルでの理にかなわない話がまかり通ってきたのは、文中で「個室に追いやられた」と表現された人・部屋でした。

と証言しています (鈴木氏の批判に答えて - 恵迪寮中途退寮者の意見)

。気質についても、部屋決め前に調査すると良いと思います。