恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学卒業者・恵迪寮中途退寮者の井上修一が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

恵迪寮の利害関係者は誰か

恵迪寮生の我如古氏が恵迪寮残寮者の意見 (http://answer-keiteki-inoue.hatenadiary.jp/) というブログを立ち上げた。私のブログへの記事への賛否を書く予定だそうだ。我如古氏は珍しいほどの自由な精神と研ぎ澄まされた知性を持つ人である。今後どんな対話ができるのか、楽しみだ。

さて、我如古氏は「このブログについて」(http://answer-keiteki-inoue.hatenadiary.jp/entry/2015/03/13/161212) で、

本来、どんな組織でも内部批判は内々で解決するのが良い

と述べている。「恵迪寮執行委員会」発行の「北海道大学恵迪寮自治会規約」という冊子に収録された「北海道大学恵迪寮規約前文」も、

北海道大学恵迪寮は、本規約の定める所に従い、正当に選出された代表によって構成される諸機関によって運営しなければならない。而して、その運営は常に代議員を通じて表明される全寮生の意志に基づいてなされるものであって苟しくも他の意志によって左右されるようなことがあってはならない。

と謳っている。

だが、恵迪寮の利害関係者は寮生だけだろうか。そんなことはない。毎年度、不本意ながら早期退寮する者がいる。彼らは恵迪寮の現在のあり方により損をした人である。北大生のなかで、経済的に困窮しているが、恵迪寮の現状を見て入寮をあきらめた人もいるだろう。彼らもまた利害関係者である。あるいは、体質等の事情で清潔な寮に住まないと生活できない受験生が恵迪寮を見て北大入学をあきらめたとしたら、その人も恵迪寮のあり方により損をしたと言える。つまり、恵迪寮の利害関係者は恵迪寮生以外にたくさんいるのだ。

もちろん、恵迪寮に利害を受ける程度は、寮生が一番大きく、寮外の北大生、北大の教職員、そして北大外の人、というふうにだんだん小さくなってゆくだろう。恵迪寮に関係の薄い人の意見ばかりが通って寮生の都合が無視されるようなことはあってはならない。しかし、少なくとも、議論・発言までは誰でもできる状態が望ましいと私は思うのだ。しかし現在、恵迪寮の問題が北大、そして日本の教育の問題として多くの人に共有されているとは言い難い。恵迪寮について寮外で聞ける意見は、恵迪寮自治会のサイトやブログや Twitter か、掲示板や Twitter での匿名の短文の意見に限られる。私がこのブログを書く目的の一つは、北大構成員全体が恵迪寮について考え発言するための基礎資料を提供することである。だから、このたび我如古氏がブログを始めたことも、私にとっては大いに歓迎したいことである。