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恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学学生・恵迪寮中途退寮者の井上大輔が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

恵迪寮自治会は「十人十色」を良しとする集団ではない。

恵迪寮自治会発行の『2015恵迪寮入寮案内』に、執行委員長の道信有真氏が談話を寄せている。

人の魅力、満載

恵迪寮では、四百人を超える大学生が共同生活を送っている。四百人全員が十人十色、それぞれの魅力が溢れている。そんな中で、気の合う仲間たちと供に過ごしてみないか? 供に笑い合い、考えをぶつけ合う中で、さらなる自分の魅力に気づけたり、逆に気づいてもらえる。そんな環境がここ恵迪寮にはある。君の魅力をここで存分に発揮してほしい。

だそうだ。この冊子には毎年度執行委員長が談話を寄せる慣例だが、内容は毎年ほぼ同じだ。よって、このエントリは、道信氏の人となりの批評ではなく、恵迪寮自治会執行委員長という職務が構造的に抱える問題、恵迪寮自治会執行委員長の入寮予定者への談話が構造的に抱える問題の指摘である。

入寮予定者がこの談話を読んで「恵迪寮では十人十色の多様な寮生が魅力を発揮しているのだ」とか「恵迪寮では自分の個性を存分に発揮できるんだ」とか期待すると、痛い目に遭う可能性がある。

まず、この談話は執行委員長を務める人個人の見解だ。寮生全体の承認を受けて掲載しているものではない。執行委員長がいかに高い志を持とうとも、それとは違う意志を持つ寮生がたくさんいる。

次に、恵迪寮自治会は文化の保存をも任務としている団体である。この文化とは、毎年恵迪寮に集まった寮生が何かをすればそれが文化になるというようなものではない。昔からある寮歌やストームを寮生に実行させて、それを文化とするものである。恵迪寮では人が文化を作るのではなく文化に人をはめ込むのである。文化に馴染めない寮生が現れたときは、それらの寮生と折り合いをつけて新たな文化を作るのではなく、個室に追いやって文化を護持する。談話には400人とあるが、この400人のうち相部屋住人は150人くらいであり、この150人くらいの人だけが恵迪寮で「個性」を発揮して受容されている。こういう自治会の執行委員長が「十人十色」を唱えても、その意味内容は上記の自治会の姿勢におのずと制約される。

談話に

さらなる自分の魅力に気づけたり、逆に気づいてもらえる。

とある。本来これと対をなすべき「他人の魅力に気づいたり、逆に気づかせてやれる」が書かれていないのは、恵迪寮伝統派の気風を正確に表していると思う。恵迪寮伝統派は、恵迪寮とその文化を愛好する理由に、「恵迪寮では自分に関心を持ってもらえる」ということを挙げる人が多い。私が3年間住んだ感想では、他人に関心を持つことより自分に関心を持ってもらうこと、他人を理解することより自分を理解してもらうこと、他人の話を聞くことよりも自分の話をすることを重視する人が、伝統派寮生には多かった。道信氏がこれに当てはまる人かどうかはわからないが、恵迪寮にはこういう人が多いという話である。

(井上大輔北海道大学3年・恵迪寮中途退寮者。シェア・転載歓迎。)