恵迪寮中途退寮者の意見

北海道大学卒業者・恵迪寮中途退寮者の井上修一が書いています。恵迪寮での文化の押し付け、多発するハラスメント、民主主義を無視した運営に辟易して退寮しました。

このブログについて

著者は、 2011 年 4 月に入寮して、 2014 年 5 月に退寮しました。最新の情報にはキャッチアップしていません。

このブログには、私の意見を書いています。誰もが認める真実を書いているわけでもなく、たくさんの人の意見を総合して書いているわけでもありません。恵迪寮に関するネット上の情報源には、このブログのほか、

等があります。これらの情報源が相反する主張をしていることも多いです。いずれかの情報源に書いてあることを鵜呑みにせずに、できる限り多くの主張を読み、恵迪寮に関しいかなる態度をとるかを総合的に判断することを勧めます。

北大当局は世論に弱い

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北大当局が、非公認サークルに対し届出を求めている。

学内外から「非公認サークル団体」に関する相談等を受け付けた際、連絡先がわからず対応に苦慮しております

だそうだ。

北大当局は弱腰であると私は思う。そんな相談を受けても、「非公認だから知らない」で打ち切るのが合理的な対応のはずだ。「非公認」とはそういう意味ではないのか。

だが、北大当局はこういう対応をすることが多い。北大当局が従うのは理ではなく、多数の声だ。学生や教員が理に基づいて主張しても頑として聞き入れぬことが多く、多数の声にはあっという間に屈服することが多い。

そして、ここ数年の情勢を見る限り、恵迪寮自治会は当局に簡単に屈服する。だから、恵迪寮を変えるには、世論に訴え、当局を動かすのが有力な手段である。

恵迪寮自治会にヒルトン合宿について聞いてみた

恵迪寮自治会がやっている FB アカウントに、ヒルトン合宿について聞いてみた。 https://www.facebook.com/keitekiryo/posts/464361183771103 返事はまだもらえていない。このアカウントは今日新しいポストをしていたので、私の質問はたぶん読んでもらえている。

恵迪寮生は恵迪寮を変えられな (い|かった)

恵迪寮自治会の代議員会で、

  • 監査委員が「いまのこの議論は過去の議論を反映していないから無効」と宣言すること
  • 代議員が「議案および議案提出者の主張が過去の議論を反映していないから投票を棄権する」と宣言すること

が、私の在寮中 ( 2011 年 4 月 - 2014 年 5 月 ) しばしばあった。ほとんどの場合代議員会は定足数ぎりぎりで開かれていたから、棄権が 1 人でも出ると議案が承認されない状況だった。よって、議案提出者としては、棄権は何としても避けねばならないものだった。

「代議員会での議論は過去の議論を反映せねばならない」、この規範自体は私も正しいと思う。一回の会期中に同じ議論を繰り返すことは避けるべきだし、前回までに出た質問・意見を無視して議案を提出するのも避けるべきだろう。

だが、この規範が、寮自治会の議論の幅も狭めている。昔、

「寮自治を存続させるためには、寮自治を存続させようという意志をまず毎年の新入生に伝達せねばならない。そのために、新歓行事をせねばならない」

という議案が承認されている。この議案は、私の退寮時点ではまだ有効だった。

そのため、

「いまのような激しい新歓行事をやらなくても、自治のメリットを冷静に説明すれば寮自治は存続できるのではないか」

という意見は、あまり顧みられることがなかった。新歓の姿を変えず続けたいと思っている側にとっては、

「その意見は過去の議論を反映していないから無効」

と言ってしまった方が代議員会が紛糾することなく進むし、「過去の議論を反映していない」議論には無効を宣告する方が恵迪寮自治会の論理では正統性を持つからだ。恵迪寮自治会の論理では、「過去の議論を反映していない」議論は、それを相手にすること自体が、過去の議論への冒涜なのである。

彼らは、

「自治の存続のために新歓行事をせねばならない」

という議案に重大な瑕疵がない限りはこの議案を尊重せねばならない、と主張した。毎年新入生の約 5 % が入寮から 2 ヶ月以内に、恵迪寮の文化を理由に退寮するという現実は重大な瑕疵だと私は思う。だが、それは新歓のやり方が悪いせいであって、議案自体の瑕疵ではない、というのが彼らの主張だった。

さて、私は恵迪寮の最新の情報は知らない。もしかしたら、

  • 「代議員会での議論は過去の議論を反映せねばならない」という規範
  • 「寮自治を存続させるためには、寮自治を存続させようという意志をまず毎年の新入生に伝達せねばならない。そのために、新歓行事をせねばならない」という議案

、大きな二つの規範は、もう廃止されているかもしれない。もしそうならば、このエントリは、「昔そんな時代があった」という単なる昔話である。

しかし、こうした大きな規範が、 2 年間で変わることは稀だ。変わっていない可能性が強いと私は思う。だとしたら、恵迪寮を変える力を持つのは、寮生ではなく北大当局だ。北大当局は世論には弱い。だから私は恵迪寮についての意見はブログ等の手段で世界一般に発信する必要があると考える。

現在、恵迪寮自治会は、寮生全員が入会することが前提とされている。建前上は、どんな意見も対等に扱われ、どんな意見も実現の機会が平等に与えられるから寮生全員を入会させることに正当性がある、とされている。だが、現実には上記のように、優先される意見とされない意見がある。これは重大な問題である。

このブログでの実名の扱いについて

恵迪寮ではこういう貼り紙をすると執行部に剥がされる では、対象者の実名を挙げて批判しました。これは、

  • 実名を挙げた方が、本人がこの記事を見つけて反論できる確率が高くなる。
  • 実名を挙げた方が、第三者も内容を検証しやすくなる。

の機序により、実名を挙げた方が対等で公明正大な議論ができると考えたからです。

しかし、読者から、

  • 実名を挙げると対象者が就職・結婚等で不利益を被る可能性がある。
  • このデメリットはおそらく上記のメリットよりも大きいと考える。

と指摘をいただきました。確かに、就職・結婚等で不利益を被るのは気の毒です。

私は人が不幸になることを望んでいません。恵迪寮と北海道大学と社会が進歩することを望んでいるのみです。なので、今後、批判の際は実名を伏せることとします。

件の記事では、短い時間ではありますが、 A 氏の実名を挙げ、 A 氏の将来に不利益が起こる可能性を招来してしまいました。お詫びします。申し訳ありません。

なお、 恵迪寮自治会は「十人十色」を良しとする集団ではない。「郷に入りては郷に従え」の恵迪寮自治 では、道信有真氏・濱斉之氏の実名を挙げて批判しました。これは、今後も実名を表示します。公刊・公開されたテキストに対する批判は、著者の実名を挙げて行なってゆきます。

恵迪寮ではこういう貼り紙をすると執行部に剥がされる

2016 年 6 月 12 日追記

ここで言う「執行部」とは議決を執行する部署の意である。執行委員会の意ではない。

追記ここまで

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2013 年のヒルトン合宿の後に写真のように「俺はヒルトンが嫌いだ」と貼り紙をしたら、剥がされて、しかも、概ね 6 名の者に取り囲まれて詰問された。

貼り紙を 3 年ぶりにここで公開する。文字に起こすと、以下の通りだ:

俺はヒルトンが嫌いだ

130414 B3 外 自衛隊

今年もヒルトン合宿が行われた。例年、「楽しかった」「良い思い出になった」「ヒルトンをきっかけに自治活動に興味を持った」というプラスの効果が見られる。しかし、以下のような問題点も確実に存在する。

問題点 1 人を馬鹿にしている。

「ヒルトンで 1 年目を騙すのは、 1 年目に『ヒッチハイクをしよう』と呼びかけても来ないに決まっているから」という意見がある。しかし、ヒッチを楽しいと思うならばなぜそれを言葉を尽くして語らないのか。 1 年目を言葉の通じない相手とみなすのは、理性ある人間として扱わないのと同じである。自治が対話の積み重ねである以上、こうした態度は自治とはなじまない。

問題点 2 上下関係の濫用である。

「騙し方を必死に考えるのは文化的な営みである」という意見もある。しかし、立場も判断力も自分より弱い 1 年目を騙すのは容易なことであり、文化的ではない。事実、企画内容も合宿のしおりも毎年使い回してマンネリ化したものであり、創意工夫は少ない。殴られる覚悟でドンパや上を騙した方がよほど文化的である。

問題点 3 自治離れを招き得る。

寮自治会は任意参加の部活やサークルではない。生活のために嫌でも参加せねばならない団体だ。恵迪寮や恵迪寮生が熱烈に好きで参加している構成員だけではないのだ。自分を騙して雑魚寝・ストーム・ヒッチハイクといった試練を与える団体に自分の時間・労力を差し出したくないという人もいるはずだし、そういう人も考えた運営が求められるのだ。ヒルトンは個人企画でやったらどうか。

問題点 4 1 年目のプライドを傷つける

ヒルトンの非道い仕打ちを受け、「自分は理不尽なことをされてもしかたがない人間」と思ってしまう 1 年目もいることだろう。こういう自己認識は、「当事者の対等関係の上の対話」という自治の本旨になじまない。上の年目も、 1 年目を玩具のようには 見るべきではない。

☆ ヒルトンが好きな人も好きでない人も楽しく快適に暮らせる恵迪寮を作りたい。ともに考え、行動しよう!! 待ってます。

恵迪寮伝統派は、恵迪寮ではいろいろな意見を聞くことができる、と主張しているが、その効用をいつも自分で削っている。ネットの方がよほど自由にいろいろな意見を聞くことができる。ネットは最高である。恵迪寮は ( この目的では ) もう要らないのではないか。

なお、剥がし・詰問を中心となって実行した A 氏は、この 1 ヶ月後、執行委員長選挙に出馬し、当選した。立会演説会で私がこの貼り紙剥がしについて質問したら、A 氏は、

「こういう貼り紙は剥がした方がいいんじゃない?」と ( 井上に ) 提案した

と、虚偽の答弁をした。恵迪寮自治会は、言論弾圧をする嘘つきを執行委員長に選出したのである。

ヒルトン合宿・ニュープリ合宿の功罪

恵迪寮の新歓行事の一つに、「ヒルトン合宿」というものがある。近年は「ニュープリ合宿」という名がつくこともある。内容は、概ね以下のとおりだ:

・新入生に「OBが経営する高級ホテルで合宿をする」と嘘を言って誘い出す。

・実際は農村の公民館等の施設に連れてゆき、一泊させる。

・公民館等では、新入生にチームを組ませて芸をさせる。

・公民館等で新入生が寝ているときに全員集合をかけて、ストームをさせる。

・帰りは新入生にチームを組ませてヒッチハイクで帰って来させる。

毎年、新2年目が新歓実行委員会のなかで「ヒルトン合宿プロジェクトチーム (PT)」を結成して、この行事を自治会の名で企画・実施する。PT員や実施に賛成する寮生は、やる理由について、

・伝統だから。

・自分が参加して楽しかったから。

・自分が参加して恵迪寮の自治の魅力を知ったから。

・新入生に「ヒッチハイクをしよう」と誘っても乗る者はわずかなので、騙す等の手段が必要になるから。

ヒッチハイクにより人間的成長が得られるから。

と述べることが多い。

しかし問題点もある。

第一に、自治会の信頼を下げる要因になっている。この行事は楽しめる新入生ばかりではない。これがきっかけで自治自治会にはなるべく関わらずに過ごそうと決める新入生がいる。

さらに、恵迪寮自治会は、自治会の名で人を騙す企画をしておきながら、寄宿料・自治会費といったお金、電話番号や帰省先住所といった個人情報については「自治会を信用して差し出すべきだ」という姿勢をとっている。ヒルトン合宿に賛成する者は「自治会の行事のセクションと実務のセクションは容易に判別できるはずだ」と言う者が多いが、それは自分とその周りの者がそうだからそう信じているに過ぎない。彼らがいろいろな層の寮生との対話や全寮規模の調査に基づいてこの問題についての見解を発表したことはない。

第二に、「経済的に困窮した学生が安心して住める住居」という、寮の最も重要な意義を損なう。新入生よりも多くの情報を持っており立場も強い上級生が新入生を騙すような環境で、全ての寮生が安心して暮らせるだろうか。

第三に、単に行事を楽しめるか楽しめないかの差を、人格的な優劣の問題に置き換える上級生がいる。ヒルトン合宿を楽しめなかった新入生がそれを口に出すと、「お前は器が小さい」とか「お前はこれまで友達と騙したり騙されたりして楽しむ関係を築けなかったのか。寂しい人生だな」と人格を攻撃する上級生がいる。

第四に、フェアではない。ヒルトン合宿に賛成する寮生のなかには、「新入生がヒルトン合宿に腹を立てたならば、新入生も上級生を騙して連れ出す企画をすれば良いのだから、新入生と上級生は対等な関係にある」と主張する者がいる。しかし、新歓実行委員会もヒルトン合宿PTも、これまで毎年設置されてきたものである。引き継ぎ資料も存在する。言うならば上級生は「流れに乗る」ことで効率的にヒルトン合宿を実施できる。それに上級生の側は新歓実行委員会が始動するころには既に大部分顔見知りになっている。入って1ヶ月ほどの新入生にそのような企画を行う組織を結成することを求め、同じようなことをやることを求めるのは、過大な要求ではないか。少なくとも、上級生の側よりも多くの労力を要する。こうして、この行事も、「上級生には逆らえない、逆らってはならない」と新入生に刷り込む手段として機能する。恵迪寮伝統派の常套手段、マウンティングだ。

第五に、健康に問題のある人に優しくない。世の中には持病があって夜は十分な睡眠を取らねばならない人もいる。こういう人をヒルトン合宿に参加させて夜中に起こすのはすべきではない、と私が寮内で述べたら、「そういう人はヒルトン合宿PTに申し出れば良い」という反論を受けた。騙して、つまり本人の意思と無関係に行事に参加させて、さらに恵迪寮の相部屋住人のような人の噂が何よりも好きな集団に、プライバシーを開示しろというのか。自分の病気について人に言いたくない人はどうすれば良いのだろうか。ヒルトン合宿に賛成する者はこの問題を考えていない。

第六に、ヒルトン合宿は寮生の言論の自由を制限した上で成り立っている。これについては別エントリで述べる。

2018年12月12日追記

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